これまで念仏会(ねんぶつえ)を始め、活動した結果のご報告をきちんとしてませんでしたが、これからはちゃんと記録を残しておこうと思います。
さて、先日開催しました、第四回聞見会念仏会(もんけんかいねんぶつえ)の様子ご報告です。
告知時のご案内については、
【聞見会】吉崎で、蓮如さんといっしょに、ねてもさめても念仏申す会をやりますよ【蓮如忌】
【続報】吉崎で、蓮如さんといっしょに、ねてもさめても念仏申す会【4/25、28】
を御覧ください。
■経緯
福井県あわら町吉崎では、毎年4月23日~5月2日にかけて、蓮如上人のご遺徳を偲び、東西別院ともに、蓮如忌(御忌)法要が行われています。
この御忌法要にあわせ、4月の聞見会念仏会は、吉崎の地で行うことにしました。
その理由として、まず第1に、近年、年を追うごとに吉崎参詣の人が少なくなっていることから、この吉崎の地で毎年行われている御忌法要を、改めて多くの方に知ってもらいたいという思いがありました。
その昔、この御忌法要には、100万の方がお参りに来られたと聞いています。ほんの数十年前までは、この御忌のシーズンになると、全国からお念仏をよろこび、今でも蓮如さんを慕う念仏者の方々が詰めかけたそうです。東西別院そして吉崎山のいたるところには人が溢れ、出店も競いあうように並び、法要中の本堂前には下駄が置く場所がないくらい並び、吉崎一帯にお念仏の声が響きわたっていたそうです。
この時期は、農家にとっては農繁期、田植えの時期です。それでも、年に一度は蓮如さんに会いに行かにゃぁ申し訳ないと、数日分の握り飯を携え、泊まりがけでお参りに来られた方も多くいらっしゃったそうです。夜の座のお説教が終わると、雑魚寝で布団を引っ張り合いながら、後生話に花を咲かせ、酒酌み交わしながら法談に夜を明かしたという話も聞きました。
しかし、近年ではこの御忌のお参りに来られる方もめっきりと減りました。休日の午前中は、それなりに多くの方がお参りに来られるものも、その数は、年々減り続け、夜になれば、しんと静まり返った吉崎山は、なんともさびさびとした雰囲気です。御忌の期間中でさえもそうなのです。出店の数も数えるほどになり、法要中の本堂には、座る人のいない白い座布団が目立ちます。
そもそも、この時期に吉崎の地で御忌法要があることを知らない方も多くなり、さらには、門徒の方でも吉崎の地名さえも知らないという方が多いことでした。
蓮如さんが、「御文章」をしたためられたその多くは、この吉崎の場所でと聞きます。朝晩に正信念仏偈をお勤めするのは、この蓮如さんがそう広められたからです。中興の祖といわれる、蓮如さんのことを知らない方も多くいらっしゃいます。
是非、この吉崎を改めて知ってもらいたい。この御忌法要に一人でもまた、多くの方がお参りされるようになってほしい、という思いがありました。
そして2つ目の理由は、正直に申し上げると、御忌法要にお参りに来られた方に、聞見会の活動を知ってもらいたいという気持ちもありました。
昔から比べれば少なくなったとはいえ、多くの方がお参りに来られるこの御忌の期間中に、聞見会としての催しをおこなうことで、こんなことを考えている会があるというのを、宣伝したいという気持ちもありました。
■会場

本願寺派吉崎別院 門徒会館 旧館二階大広間
当初予定していたのは、六畳間の宿泊用のお部屋一室をお借りするつもりでおりましたが、吉崎別院さんがご好意により、一番大きな大広間一室すべてお貸し下さいました。
もし遠方からお越しになる方がいらっしゃっても、雑魚寝になるとはいえ、これでお泊まりいただく場所だけは確保できました。
■内容
いつもの念仏会であれば、休憩含め1時間半、ただお念仏をし、その後勉強会を行うという流れですが、今回は、せっかく吉崎の地で行うということもあり、念力門の記録DVDの上映会も行うことにしました。
念力門の記録DVDとは、今から10年ほど前に、吉崎別院サポーターの会によって作成された、『念力門 北へ行く ~ 百五名の尊い念力 (念力門 回顧録より)』というDVDです。今から六十数年前、京都の浄土真宗御本山本願寺から、9日間かけて歩いて吉崎まで運ばれた念力門の記録DVDです。(同じものをYoutubeからもご覧いただけます。)
■開催した日時
当初は、4月25日及び28日の夕方5時からの二回だけ開催する予定でしたが、夕方にはお参りされる方もほとんどいなくなってしまうことら、急遽27日のお昼にも開催しました。
■各会の詳細
<25日夕方の会>
参加者7名。すべて御忌にお参りに来られた方と、御忌運営のお世話をされていらっしゃる方々でした。
DVDの上映中、旧譜での恩徳讃が流れ始めると、自然とご参加くださった方々口々に口ずさみはじめ、気がつけば全員で合唱していました。皆様ところどころ、思わず手が合さり、なによりも なんまんだぶ なんまんだぶ とお念仏申され、上映後にはこんなすごい話があったのかと、驚き、感心されていらっしゃいました。
上映後、参加者全員で1分ほどお念仏。
元々は、念仏会ですので、30分ほどただお念仏してみましょうと声をかけるつもりでしたが、できませんでした。(慈海の大きな反省点です)
<27日お昼の会>
参加者6名。25日に参加された方のうちお二人が、「もう一度観たい」と再度参加されておりました。
内容については25日と同じ。今回も、恩徳讃では皆さん合唱され別院さんでのお昼の法要の時間が迫っていたので、今回も念仏会はできませんでした。
<28日夕方の会>
参加者3名。うちお一人は「何度観ても涙出てありがたい」と、前回、前々回にも参加してくださった方。皆勤賞です。
DVD上映の最後数分のところで、食事の時間がきてしまい、途中でしたが終了となりました。
この日の夜は、慈海ひとりだけでしたが、せっかくの念仏会ですから、一人でもと思い、夜のお勤めが始まるまでの1時間ほど、本堂にて、独り念仏会を行いました。
■今回ご協力くださった方々
今回DVD上映するにあたり、機材が吉崎別院にもなく、慈海も持ち合わせていなかったので、下記の方々が機材をお貸し下さいました。
改めてこの場を借りてお礼申し上げます。
DVDプレイヤー: 本願寺派福井教区円陵組放光寺様
モニター: スペースおいち様
また、吉崎別院様には、門徒会館の大広間をお貸しくださっただけでなく、宣伝告知のためのチラシを快く掲示させてくださいました。
さらには、佐々木輪番様には念力門法要後の感話で、春江町西勝寺の大江先生にはご法話中に、DVD上映のこと申し添えくださいました。
とても嬉しかったです。この場を借りて改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
■反省点
吉崎での開催を決めたのが、御忌法要が始まる数日前だったこともあり、準備が全く出来ていませんでした。
そのため、宣伝告知をあまり出来ていませんでした。ご参加くださった方の中からも「もっと大きなポスターで大きく宣伝せんと!」という声がありました。とにかく準備不足、計画不足でした。
計画、準備、宣伝、運営、撤収と、全部一人でやっていたので、とにかくバタバタでした。次回以降は、協力くださる方を募らないと、難しいと思いました。一人では限界がありました。
そして、なによりも、メインの「念仏会」ができなかったことが、痛恨の反省点です。
DVD上映はおまけのつもりでしたが、その中で、どうやって、聞見会としての思いを伝え、念仏会という会の趣旨を伝え、はらいっぱいお念仏申す時間と場所を作っていくか、というところを、何も考えていませんでした。ただのイベントにはしたくないという、ある意味慈海のひとりよがりな想いかもしれませんが、その点は、残念な気持ちが残っています。
とはいえ、念力門のDVDを通して、「お念仏の力」というのを、複数の方々と共有できたのはとても嬉しかったです。
参加してくださった方の半数以上が、このDVD欲しいとおっしゃってくださったので、後ほどお送りする予定です。
(DVDの準備には、水上さんがご協力くださいます。ありがとうございます)
かつては、お念仏を笑った時もありました。賢いつもりで、お念仏を称える人を笑ったこともありました。
ですが、今、慈海がそのお念仏に動かされています。
かつてアホと笑った、お念仏に動かされ、いのちを掛けてこられた方々のようになりたいと、思う慈海がいます。
ただ、念仏を称えるだけというのは、奇異にみられるかもしれません。
自力念仏と揶揄されることもあります。
お念仏の数にこだわる方からは多念義とそしられることもあります。
慈海は、かつてそういった声をおそれる時もありました。
聞見会は、お念仏の会です。
また、念仏会、やっていきますよ。
アホになる、場所と時間があっても、いいと思うのです。
なんまんだぶ