朝、吉崎別院の境内を掃いていると、お若いかたが門をくぐってこられた。
東の空が明るくなってきたとはいえ、まだ日も顔を出していない時間だ。
そうそう頻繁ではないけれど、たまにこうして早朝からお話しする機会がある。
訪れる方は別々だけれど、朝、日中、夕方、そして暮れた後など、その時間帯によって雰囲気も変わる。
朝お会いする方は、おしなべて笑顔だ。それも、さっぱりとされた顔をされていらっしゃる。
お若いかたの爽やかな笑顔が去った後、落ち葉を掃きつつものを思う。
かつて、朝が来るのが憂うつな夜もあった。
日が登ると、ため息をつきながら恨めしく苦々しく眩しい空を眺めたときもあったけれども、それでも朝は必ず毎日きちんと欠かさず訪れた。
晴れた日の朝はいいね。そんな夜でも、恨めしい朝日が、照らすものというものもある、のかもしれない。
なんまんだぶ